ページビューの合計

2015年5月22日金曜日

カラスの保護

店の前にケガをしてほとんど動けなくなったカラスが居るのでなんとかしてほしい、とのご連絡がありました。通行量があるのでそのままでは車に轢かれてしまうのは必至の状態という。

ご依頼者は保健所に連絡したようですが対応してもらえなかったようです。公共の場での死骸なら対処してもらえたのかもしれませんが、生きている状態なら自然に任せるしかないと言うことなんでしょうか、、

そこが車がほとんど通ることのない自然豊かな場所なら、自然に任せるのは致し方なしと言えますが、すぐ近くをスピードを出した車がバンバン行きかうところで、ケガをしてヨタヨタしているカラスを見かけてしまっては、、、見殺しに出来ないのは人情です。

ケガを負ったカラスがその後、タカやワシに襲われ猛禽類の血肉となるならばそれも自然の摂理ということで納得もできるかもしれませんが、自然に任せて車に轢かれたら、、、車は自然なのだろうか?寝つきが悪くなるかもしれません。

現場へ急行してみますと成鳥に近い大きさがありましたがまだまだ可愛いヒナガラスでした。捕まえようとすると近くで見守っていた親ガラスに威嚇を受けまくりましたが無事に確保。

どこか車通りの少ない適当な場所へ移動させてほしいとのことでしたが、自力でエサを探せるようになるまで(飛べるようになるまで?)保護することにしました。


やることと言えばやはりエサです。

早速、生の鶏肉を与えてみました。(その後はふやかしたドッグフードなど)


ほとんど警戒心を見せることなく、、


大口開けて丸飲みです。お腹が膨れるとクチバシは閉じたままになります。

このカラスのヒナは右目は潰れているばかりでなく、右足はなんだか変な方向を向いているので骨折しているかもしれません。果たして、自然に返して自力で生きていけるかどうか?ヒナでもあるし現時点では間違いなく無理でしょう。

人間は骨折しても食べることはできますが、自力でエサを探す野生動物は骨折するとエサを探すことが途端に困難になります。治るまでの間は飢え死にの可能性が高まります。

絶滅危惧の動物、、例えばトキなんかでしたら手厚く保護を受ける立場なのでしょうけど、珍しくもなんともない一介のカラスは、ある意味トキ以上に共感が持てるのです。


お腹が膨れ、満足して眠りにつきました。カラスと言えども動物の赤ちゃんは皆可愛いものですね。

そして、お腹が減るとカーカーと催促するのですが、ヒナと言えどもそこは大型の鳥。その声量は中々凄まじい。

違法かどうかは別にしてポツンとした一軒家ならカラスを飼うということは考えられますが、都会ではニワトリ同様にその声量からカラスを飼うのは難しいと思います。

森林の開発が進むと自然が減少し、たいていの動物は淘汰されていきます。そんな中で、見事に都市化に対応し、その勢力を伸ばしている動物と言えばネズミとカラスになるでしょうか。

健常なカラスなら人間の残飯をかすめ盗りたくましく生きぬいていくところですが、この羽がやられて飛べなくなったカラスはエサを探すのは困難ですし、飢え死にする前に車に轢かれるかネコに襲われるかが関の山かもしれません。

まだヒナなので飛ぶことができないのか?あるいはケガのせいで飛べないのか?判断がつきかねますが、もうしばらくは隻眼のカラスを見守ってから放鳥し、その後は自然に委ねることにします。

よろしくお願いいたします。

0 件のコメント:

コメントを投稿