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2010年9月23日木曜日

消えるミツバチ

 ここ数年ミツバチが姿を消しているようです。都市部では害虫扱いですが、農作物の受粉には欠かすことのできない産業に利用される昆虫です。ミツバチ(セイヨウミツバチ)を輸入までして賄っています。

 失踪原因は解明されていないようですが、原因として、農薬のネオニコチノイド系の影響によるもの、ウイルスによるもの、働かせ過ぎ(温室では年中無休状態)あるいは、これらの複合要因などが挙げられています。

 女王蜂と内勤蜂を残して働き蜂が大量に居なくなり、群れが成り立たない状態は、蜂群崩壊症候群(CCD)と言われます。アメリカでは2006年頃から、日本ではここ2、3年のことであり、COP10が近いこともあり、新聞やニュースで度々取り上げられています。

 ネオニコチノイド系農薬は90年代から使われはじめました。従来の有機リン系農薬に比べ毒性が低いとされる為、次世代原体として広がりはじめました。昆虫の中枢神経に作用して興奮状態にして、方向感覚を狂わせ筋肉を収縮させて殺すそうです。

 主に水田のカメムシ防除などに頻繁に使われるようになってから、ミツバチの失踪が増えているようですし、カメムシと大きさだけとってみてもミツバチと大差ありません。ネオニコチノイドの影響がミツバチ失踪原因の本命と勘繰られても仕方ないかもしれません。

 人間の利害にかかわるミツバチ。養蜂家などの訴えから、ネオニコチノイド系農薬の規制を求める声も上がっています。もしミツバチが産業に利用されない、ただの昆虫ならば相手にされてないのかもしれません。

 繰り返しになりますが、ネオニコチノイド系農薬は従来の農薬に比べて毒性が低いとされています。指標のひとつである魚毒性もかなり低いようです。従来の有機リン系農薬比べれば、川や魚など水環境にとってはだいぶマシかもしれませんが毒に変わりありません。

 ミツバチの失踪は、人間が利用できる産業用の昆虫ですので話題に上ります。生物多様性を目指す上での一つの問題提起です。

 そして、真の生物多様性の保全のためには、人間に直接利害関係がない(利用しない)生物も分け隔てなく護っていく姿勢こそが重要かと思います。


(余談)
 ネオニコチノイドの名前⇒ニコチノイドというのは、タバコの葉から抽出したニコチンが原料のようです。殺虫剤にも使われているようだし、タバコももうすぐ値上げです。これをきっかけにタバコから足を洗ってみては。


 

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